今週クリムト尽くしでした
◆日本・オーストリア外交樹立150周年記念
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 @国立新美術館
ポスターで大々的にアピールされている
画家グスタフ・クリムトやエゴン・シーレがメインというより、
19世紀末~20世紀初頭にかけての工芸品や美術芸術を余すところなく
展示しているのでこの時代の世界観をたっぷり堪能できます。
特に目を引いたのが額装の素晴らしさで
絵画はもちろん、さらにそれらをドラマチックにするのは
飾り額あってだと感じました。
絵画だけでなく着用していた衣装の展示もあり。
クリムト愛用のスモックサイズからみると
結構大柄な人だったようで、学芸員さんに身長を
尋ねてもわからなかった。
でも有名な猫抱っこ写真からはそんな巨体でもないし、、
(どーでもいいことなんですけど
休憩所には文化服装の方々がクリムト作品から
着想を得た衣装も2点展示されています。
これがまた目を瞠る出来で要チェック。
奥に居心地のいい椅子もあるので一休みにもってこいです。
鑑賞時間は約2時間半、足元の空調から
冷風がくるので結構冷えます。
足がだるくなると何かとかったるいし
表に出たときの暑さと相まって体調を崩しやすいので
お気を付けください。
◆クリムト展 ウィーンと日本 1900@東京都美術館
こちらはクリムトがメイン。
彼の父、弟とも工芸美術や絵画を仕事にしていて
上記「ユディト I」の流れる渦のような
額装は彫刻師・彫金師である弟ゲオルグの作品。
ゲオルグの作品も飾られているのだけれど
どれもグスタフの絵柄と似ているから
単に世の風潮なのか、一家揃って趣味が似ているのか。
最も興奮するのが全長約34メートルの作品で、
壁をぐるりと囲んだ《ベートーヴェン・フリーズ》。
しかも天上からうっすら聴こえてくるのは
ベートーヴェン「歓喜の歌」で神々しい。
グッズも様々で、金の付箋やクリムトと猫のソフビ人形、
ピンバッチガチャなど力を入れているのがわかる。
私はポストカードだけで満足でした。
◆映画『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』
東京都美術館講堂での試写会。
古き良きウィーンの今と昔を織り交ぜ
クリムトとシーレとその周囲を丁寧に映像化。
全編に流れるクラシックが心地良く、
エンドロールではアコーディオンの切な美しいメロディ。
上映後には山田五郎さんとクリムト展キュレーター(?)との
トークショーで、これが面白すぎて20分程度じゃまったく足りない。
あの時代に絵画全盛期のパリに行っていなかったクリムト、
大した不満は持っていなかったけれど分離派に属し
なんだかんだと生きている間も順調だったクリムト、
シーレは上手いのに人格がアレだったこと
(妹と近親相姦だったり金目当ての結婚したり)。
終始笑いの絶えない、それでいて濃厚な山田さんのトーク中で
めっちゃ膝ポンだったのがウィーン=京都説(このひと言で完全に納得)。
映画は6月8日からシネスイッチ銀座にて公開。
展覧会へちょっとだけ話を戻すと
予備知識として、映画『クリムト』『黄金のアデーレ』
『エゴン・シーレ 死と乙女』を観ておくと
絵画だけでなく人となりの理解が深まります。
平日でも激混みですがこの機会を逃すのはもったいない、
エロスとタナトスにまみれる展覧会です。
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