color air 48:シネマ色日記 忍者ブログ

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48日目:F101 Coquelicot コクリコー






ルルドの泉で

「なぜ、彼女にだけ奇蹟は起こったのか。」

こんなキャッチコピーをもった宗教サスペンス(?)映画。
世界最大の巡礼地ルルドへ人々は救いを求めて訪れる。
自分にも奇跡が起こるように、と。

主人公クリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)が
穏やかそうにみえて、実は胸の内で常に怒りを感じていること。
なぜ、私がこんな目に。
他の誰かじゃなくて、私が。

介護補助している若い女の子マリアは
ちょっとむっちりしてるレア・セドゥ。

思ってたよりも仕事は陰気くさいし補助が面倒のようで、
介護そっちのけで男に熱を上げている。

司祭は巡礼者の質問に上滑りな答えしかせず
事務的で重みも有難味もない。

意地悪な見方をすれば、訪れている人たちは
他人と自分を常に比べて「あの人よりはいいわよねぇ」と
優越感を感じながら過ごしているような。

中盤クリスティーヌに奇跡が起き
願いをひとつひとつ叶えていく。

一人で着替えてカフェテラスでパフェを食べて
気になる男性とダンスして。

しかし、幸せは自分だけ。

巡礼者たちは熱心な信者でない若い女性だけに
なぜ奇跡が起きたのか、嫉妬で黒い感情が湧き上がる、、

最後まで、もやっとする作り方は
ミヒャエル・ハネケにそっくりだと思ったら、
監督ジェシカ・ハウスナーはハネケに師事してたようで。

いつか行ってみたいな~と思っていた場所だったけれど
中途半端な気持ちの観光は気持ちがやられてしまいそう。

聖なる場所は、黒い感情も同じくらい渦巻いているのだろう。

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