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ルルドの泉で
「なぜ、彼女にだけ奇蹟は起こったのか。」
こんなキャッチコピーをもった宗教サスペンス(?)映画。
世界最大の巡礼地ルルドへ人々は救いを求めて訪れる。
自分にも奇跡が起こるように、と。
主人公クリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)が
穏やかそうにみえて、実は胸の内で常に怒りを感じていること。
なぜ、私がこんな目に。
他の誰かじゃなくて、私が。
介護補助している若い女の子マリアは
ちょっとむっちりしてるレア・セドゥ。
思ってたよりも仕事は陰気くさいし補助が面倒のようで、
介護そっちのけで男に熱を上げている。
司祭は巡礼者の質問に上滑りな答えしかせず
事務的で重みも有難味もない。
意地悪な見方をすれば、訪れている人たちは
他人と自分を常に比べて「あの人よりはいいわよねぇ」と
優越感を感じながら過ごしているような。
中盤クリスティーヌに奇跡が起き
願いをひとつひとつ叶えていく。
一人で着替えてカフェテラスでパフェを食べて
気になる男性とダンスして。
しかし、幸せは自分だけ。
巡礼者たちは熱心な信者でない若い女性だけに
なぜ奇跡が起きたのか、嫉妬で黒い感情が湧き上がる、、
最後まで、もやっとする作り方は
ミヒャエル・ハネケにそっくりだと思ったら、
監督ジェシカ・ハウスナーはハネケに師事してたようで。
いつか行ってみたいな~と思っていた場所だったけれど
中途半端な気持ちの観光は気持ちがやられてしまいそう。
聖なる場所は、黒い感情も同じくらい渦巻いているのだろう。
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