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「アイボリータワー」という言葉、ご存知でしょうか。
象牙の塔(そのまんま)とも言われています。

それらは日常世界から切り離された(役に立たない)研究、
エリート主義、難解で特殊な職業の人たちがいる場所のことで
軽蔑的な意味合いが含まれています。 


そもそもの由来は旧約聖書「ソロモンの歌」7:5
「なんじの首は象牙の塔の如し」から。
つまりは、手の届かない知識をもったエリート集団、と
農民たちから揶揄されたことが発端のようです。


それに関連して
象牙の一族と言えば先祖代々からつながる
由緒正しい(?)家柄のこと。
歴代お医者様とか、政治家とか。

「モモ」でもお馴染のミヒャエル ・エンデ
「はてしない物語」にも登場する、
学者が閉じこもる研究室の比喩でもあります


で、長くなってしまいましたが
これらを象徴するアニメ映画がありました。
フランス初の長編アニメーション映画、
ポール・グリモー監督の「王と鳥」。

スタジオジブリ提供により
日本での劇場公開が実現しました。

内容は
威張り散らした王が住むタキカルディ王国にある、
天に届きそうなほどの宮殿の最上階にある秘密部屋。

そこにあるのは美しい羊飼いの娘と
煙突掃除の青年、王の3枚の肖像画。

傲慢であるけれど孤独な王は、
絵の中の娘を我がものにしようとするが
娘と青年は王から逃れるため絵の中から抜け出す。

自らも絵から抜け出し2人を追いかける。
娘と青年は白く複雑な塔から逃げ出す、というストーリー。


どーもこのカリカチュアな絵柄が好きになれないのですが、
内容はなかなか。豪華だけれど空虚な縦に長い宮殿が
ぼろぼろと崩壊していく様はスカッとします。

頭でっかちに知識を詰め込み、
現世とはかけ離れた生活をしている
【象牙の塔】の住人たちは、
もはやその白い巨塔の階段を下りる方法さえも
忘れてしまっているかもしれません。















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