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作家 向田邦子さんの「眠る盃」の中に
「勝負服」というエッセイがありました



「私は仕事をする時は勝負服を着用する。
(中略)私の勝負服は地味である。

 無地のセーターか、プリントなら単純な焦々しないもの、
 何よりの条件は着心地のよさと肩のつくりである。

 冬ならセーターだが、軽くて肩や袖口に負担のならないもの。
 大きな衿は急いでペンを動かすとき、揺れるので嫌。
 袖口のボタンも駄目。体につかず離れずでなくてはならない。」


勝負服というと、色とインパクトの強さを連想しますが
違う意味での【勝負】は自分の内側から出てくるものと向き合い、
言葉として紡ぐ作業の真剣さとの勝負だったかも。

あと、向田さんといえば手袋を探しているイメージがあります



その理由がたぶんここから



「口紅のつけ忘れや洋服のほころびに気がつくと、
 どうしても態度に出る」

「そういうときは、心臆しているせいか楽しくない」
 ので、まっすぐ家に帰るとのこと。


単に着飾ることではなく最低限の身嗜みとし、
恥じらうことの大切さを感じます

















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